吉高由里子が美しき殺人鬼に。映画『ユリゴコロ』ネタバレ&感想

私のように平気で人を殺す人間は、脳の仕組みがどこか普通と違うのでしょうか。

この、とてもインパクトのある書き出しから始まる美しき殺人鬼の告白文。

そしてその殺人鬼を吉高由里子が、ノートを発見し読み解く男を松坂桃李が!さらに不眠に悩むメッシー君を松山ケンイチが!という魅力的なキャスティング。うーん観るしかない、と思ってしまいますね。

吉高由里子の主演映画は『蛇にピアス』しか観たことないんですが、この一本だけでも「結構いい演技をする女優さんだ」という印象があったので、今作も自然に「観たい」と思いました。今作も、蛇にピアスも、仄暗い欲求に憑りつかれた女性の役で、なんとなく当時の演技がここにも活きているのかな、と思いました。

鑑賞後に原作も読みまして、映画版との違いを書いた以下の記事もぜひ一緒にどうぞ!

沼田まほかる著・小説『ユリゴコロ』映画版の違いと感想(ネタバレ)

パンフレットはこんな感じ。

26Pで税抜き667円。独特な表紙ですね~映画を観終わってから見ると、あれの写真かなこれの写真かなと色々想いが巡りますね。

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【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】熊澤尚人
【原作】沼田まほかる「ユリゴコロ」
【製作総指揮】佐藤直樹
【製作】永山雅也、村松秀信、三宅容介、木下直哉、大柳英樹、片岡尚、戸塚源久、細字慶一、大沼渉
【エグゼクティブプロデューサー】千葉善紀、柳迫成彦、大熊一成
【プロデューサー】石田雄治
【音楽】安川午朗
【撮影】今村圭佑
【美術】高橋泰代
【衣装】宮本まさ江
【出演([]内は役名)】

  • 吉高由里子[美紗子]

  • 松坂桃李[亮介]

  • 松山ケンイチ[洋介]

  • 佐津川愛美[みつ子]

  • 清野菜名[千絵]

  • 清原果耶[美紗子(中学生)]

  • 平尾菜々花[美紗子(小学生)]
  • 貴山侑哉[亮介の父]
  • 木村多江[細谷]

【公開日(日本)】2017年9月23日
【上映時間】128分
【映倫区分】PG12
【配給】東映、日活
【IMDB】—/10.0  (およそ0人の評価)

【あらすじ】

亮介は余命わずかな父の書斎で1冊のノートを見つける。「ユリゴコロ」と書かれたそのノートには、ある殺人者の記憶が綴られていた。その内容が事実か創作か、そして自分の家族とどんな関係があるのか、亮介は様々な疑念を抱きながらも強烈にそのノートに惹きつけられていく。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレ注意)】

☆2.6/5.0

とてつもなく惜しい作品なんです。

なぜ惜しく感じるのか

  • 現代(亮介)パートの取ってつけた感。
  • ノートを読み終わってからの展開。
  • 全体的な伏線の弱さ!

この三つですかね。

全て、脚本と演出が台無しにしているのかと思いましたが、原作の方もノートを読み終わる辺りから失速していっていたので、そこはもうどうしようもなかったのかなぁと。

ノートの内容、特に松山ケンイチと出会って子どもが生まれるくらいのところまでの内容が素晴らしいんです。だけどどうしても、予想通りの展開が多すぎて。

例えば「この後みつ子の腕を切って殺してやるんだろう」とか、「この男、あの時の鉄蓋の男では?」とか、「おっ、妊娠か?」「母親が殺人鬼ってオチ?」「この女が美紗子だろう」などなど、安易に想像出来てしまうことが多すぎる・・・ミステリー仕立てにしては安直で、驚きがあまり少なく、てぬるい!と感じてしまいましたね。

現代パートはどうしてあんなに蛇足感が強いんだろう。

失踪した婚約者にはヤクザの旦那がいて体を無理やり売らされていたとか、ベタにも程がある設定だし。しかも突然やってきた婚約者の元同僚の女が、居場所まで突き止めてくれるなんて都合が良すぎませんか!

いやいやそんなの自分の婚約者なんだから、自分で調べたり探したりしようよって思うんだけど、それよりも何よりも亮介くんはノートの中身に夢中で「自分は殺人鬼の息子なのか?」って、うぅーん。そのくせ見つかったら見つかったで「俺が旦那を殺したくなるのは殺人鬼の血が入ってるから・・・?」って悩むのもなんだか軽い!

大切な人が散々な目に合わせられてれば血縁なんて関係なしに殺意が湧くことなんてあると思いますよ。うん。

そんなこんなで現代パート(主に映画で改変された箇所)がものすごくご都合主義で軽くなっちゃってるもんですから、松坂桃李くんの狂っていくような演技がオーバーでオーバーでまるでコントのよう・・・冷めた目で見てしまいます。

良かったと思ったところ

吉高由里子の演技と、モノローグ、それからノートの中身の過去パートはどこも素晴らしかった。映像も記憶に残る鮮やかさと美しさ、独特のセンスがあったように感じましたし。

だからこそ他の部分が惜しく感じるんですよね。

うまく料理仕切れていない感というか。

実はこの話はミステリーというよりも「愛の話」であって、一人の女性が生き辛さから解放されていくまでの変化を描いている話。だから驚きも謎解きもなくていいはずなんですが、どうしても原作から外した謎解きの部分が剥がしきれていなくて中途半端に残ってしまった感じがします。

まとめ

ぜひ原作も合わせて楽しんでもらいたい!

何度も言いますがノートの中身がとても面白く、切ないです。

とても感情移入は出来ない殺人鬼美紗子の感じたこと考えたことが映画よりもっと深く知れるはず。

正直、観終わったあとで仲間に色々と文句を言ってしまった今作ですが、意外にも記憶に凄く残るというか、本当につまらないと思っていたらきっと原作なんか買う気にもならないでしょうし、それだけのものがあったのかなぁと。

だからトータルすると「すごく惜しい作品」なんでしょうね。

この原作者の映画は今月の28日にも「彼女がその名を知らない鳥たち」が公開されます。阿部サダヲと宮崎あおい主演で、またも松坂桃李くんが出ています。

そちらも楽しみ。


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