危険に歪んだラブストーリー。映画『ピアニスト』ネタバレ&感想

「知的な顔でクソ同然の中身か」

出ましたー!

鬱な映画で検索すると必ず名前が上位に上がる、ミヒャエル・ハネケ監督の至極のラブストーリー!!(笑)

そして主演は、最近「ELLE」でも怪演を見せていたイザベル・ユペール!こじらせた中年女性を演じさせたら彼女の右に出るものはいません!!!

→関連「倫理観が崩壊する不条理スリラー。映画『エル ELLE』感想

対する相手役は、なかなかハリウッドではお見掛けすることの少ない、ブノワ・マジメルさん・・・。今作で一目惚れした俳優さんです。

そして最初に、「好きだと言えば人格が疑われそうな映画ばかり好きですいません」と平謝りしときます。

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【映画情報】

【原題】La Pianiste
【制作国】フランス、オーストリア、ドイツ
【監督】ミヒャエル・ハネケ
【脚本】ミヒャエル・ハネケ
【原作】エルフリーデ・イェリネク
【製作】ファイト・ハイドゥシュカ
【製作総指揮】イボン・クレン、クリスティーヌ・ゴズラン、ミヒャエル・カッツ
【撮影】クリスティアン・ベルガー
【美術】クリストフ・カンター
【音楽】フランシス・ヘインズ
【出演([]内は役名)】

  • イザベル・ユペール[エリカ]
  • ブノワ・マジメル[ワルター]
  • アニー・ジラルド[エリカの母親]
  • ウド・ザメル[Dr.ジョージ]
  • アンナ・シガレビッチ[アンナ]

【公開日(日本)】2002年2月2日
【上映時間】132分
【映倫区分】R15+
【配給】日本ヘラルド
【IMDB】/10.0  (およそ人の評価)

【あらすじ】

エリカは、国立音楽院の厳格なピアノ教授。学生ワルターは彼女に恋して授業を受けるが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆4.3/5.0

びっくりするほどあらすじが短い!!!(笑)

引用させてもらうのも気が引けるほどの短さですな映画.comさん(笑)

簡単にあらすじを

主人公のエリカは処女をこじらせたような中年女性。母親からの過干渉される日々を経て、倒錯的な性癖?に目覚める。ピアノの教え子であるワルターに求愛され、彼にその倒錯的な欲求を満たしてもらおうとするが、拒絶されてしまい・・・

という感じの非常に危険な香りのする物語。倒錯的な欲求というのはいわゆるSMで言うところのマゾ趣味ですね。R15+だからここから先は大人だけ!(と言ってもそんなハードな感想書けません)

そして感想

行き遅れアラフォー女子とプルシェンコ似のケツアゴ美青年との年の差恋愛をアブノーマルかつヒステリックに描いたキュンキュンラブストーリー!!!(当社比)

↑つまり私にとってはこういう作品に見えているよ、という叫び。

オープニングのワンシーン挟みながらのクレジットがお洒落で惹きつけられる演出はさすがの一言。ピアノをガチで弾いてるキャスト陣の身を捧げた演技も本当に良い!

そして物語。
前半のエリカの、彼に対する「気持ちに素直になれないけどあからさまに嫉妬しちゃう、拒絶しつつも露骨にお洒落しちゃう」という少女さが不気味可愛い…。
そこに王子様のような紳士的で笑顔が煌めく彼の猛アタックよ……正直トイレでのキスシーンはキュンしすぎて叫び声を上げずにはいられませんでした。家で一人で観てて良かったと本当に思った。

主人公の狂気性

正直ドMなだけなら特殊な性癖を持ってるだけで全然病気と言うほどでもないじゃんという気持ちで観ていたけども、母親に気持ちをぶちまけるシーンで初めて彼女の”狂気”に気付いた。
抑圧され統制された生活を小さな頃から送ってきたんだろう。父親がいないことも原因の一つかもしれないけど、母親との歪んだ関係ってつくづく人格に問題を起こさせるなぁと悲しい気持ちになる。
(『ブラック・スワン』の主人公も似たような境遇だった。昇華の対象に人ではなくバレエを選んだという違いはあれど、ラストの余韻も似たような印象を受ける)

→関連「衝撃の映画体験!ナタリー・ポートマンの『ブラック・スワン』感想

惹かれあいながらもすれ違う二人

そして、惹かれ合いながらもすれ違う2人…。

ここからは勝手な解釈だけど、主人公はなんちゃってドMだったんだと思う。妄想はしていたけれど、問題はもっと別のところにあってそれに気付けないまま誤った方向に進んでしまったのかな、と。
そして彼の方はというと、実は隠されたSの素質を彼女によって見出されてしまったのではないか?このレビュー冒頭の台詞も彼の言葉の抜粋だけども、手紙を読んでからの彼の言動は仮にも愛した女性に対するものとは程遠い違和感を覚えた。元が紳士的?だし余計に。だからこそ戸惑い、突っぱねてみたり、押し入ってみたり、自分でもわからない感情に流されるままに行動してしまったんだろう。もちろん彼女の希望に沿いたいというのもあるかもしれない、だけどそれだけでは嫌悪したという言葉からは想像できない身の切り替え方をしてると思う。
そう考えると最後の演奏会で会った時の態度も頷ける気がする(これからうまくいけると思った?)。でも彼女の方は絶望している…っていう切なさ。

まとめ

もちろん私が書いてきたのは全て推測(というかほぼ妄想に近いですが)だから他の人と”解釈の相違”があってもそれはそれで良し!!

いわゆるスルメ系映画な気がするので、一度目と二度目でまた感想が違ってきそうな気がするのも楽しいですね。

ぶっちゃけこの作品を苦手に思う人の方が圧倒的に多いと思うので、決してオススメは出来ません。ちびぞうのパーソナル・ラブ映画といったところなので、注意が必要です。

だからこそ、この映画が好き!と言える人とは親友になれる・・・そんな作品です(笑)

それにしても「精神の黄昏」「シューベルトの譜面が持つ極端さ」などなど、うまいこと序盤に蒔いた伏線を咲かせて散らす、見事なハネケ節でありました。
大好き!!


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