アートな写真が流れるフランス映画『ラ・ジュテ(1962)』ネタバレ&感想

「彼がいない時には、おそらく彼女は死んでいるのだ」

IMDB

「フォトロマン(モノクロ写真の連続だけで構成されている)」という手法で作られた、ということで興味が湧いた作品。
分かりやすく言えば、スライドショーであり、紙芝居。

1962年に製作されたフランスのSF映画です。28分しかないので非常に観やすいね!

観終わって調べて初めて知ったんですが、『12モンキーズ』の原案となった映画のようですね。ちびぞうはそちら未見なので、またチェックしてみねば!!!

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【映画情報】

【原題】La Jetée
【制作国】フランス
【監督/脚本】クリス・マルケル
【製作】アナトール・ドーマン
【編集】ジーン・ラベル
【音楽】トレバー・ダンカン
【出演([]内は役名)】

  • ジャン・ネグロニ[ナレーション]
  • ダフォ・アニシ[男]
  • エレーヌ・シャトラン[彼女]
  • ジャック・ルドー[科学者]

【公開日(日本)】1999年7月3日
【上映時間】28分
【IMDB】8.3/10.0  (およそ24120人の評価)

【あらすじ】

第三世界大戦を舞台にした架空のパリで、過去や未来にタイムトラベルする実験に携わるある男と「彼女」の物語。

【感想(ネタバレしますよ!)】

☆3.2/5.0

ちびぞうは好きです!!!!!

主演の女優さん(エレーヌ・シャトラン)が、どことなくキルスティン・ダンストっぽくてとっても美しい!

おおまかなストーリー

空港の写真から始まる。割れんばかりのオペラ

Stichere – “A la croix”

が流れている。

「これは少年期に見た光景に取りつかれた男の話である」

男性の語りと、文章が出る。

「少年期にその男が見たのはオルリ空港での出来事で 第三次世界大戦ぼっ発の数年前のことだった。少年はその日の出来事をそれ以来忘れたことがなかった」

※オルリ空港とはフランス(パリ)の国際空港のこと

写真がどんどん変わっていき、そこに男性のモノローグが乗る。

少年が見たというのは「送迎台の光景と、ある女性の顔」。
しかしこの女性の顔に見覚えがあるとずっと後に彼は気付くことになる。戦争が起きる少し前の平和な彼女の顔に見覚えがあったというのだ。

揺れる送迎台。突然の轟音と、倒れ行く人々。そしてある男の死を目撃したと、少年は後に知る。

それが現実だったのか、戦争から逃れるための妄想だったのかは分からない。

そしてほどなくパリは崩壊

流れるオペラと共に崩壊したパリの写真が次々と流れてくる。暗転し、再び男のモノローグと共に写真が流れ出す。

放射能によって、誰もパリの地上では暮らせなくなってしまった。勝者は敗者を捕虜にし、実験台にした。しかし実験は失敗し、多くが死ぬか、錯乱した。

そして新たな実験に主人公が選ばれる。

なんとその実験というのは「タイムトラベル」の実験だった。過去に行って現在を救うために物質やエネルギーを持ち帰るのが使命だった。

体が過去に行っても意識は現在のままなので、体にかかる衝撃が大きすぎ、普通の人は錯乱してしまう実験らしい。しかし主人公は過去への執着が強く、想像力が豊かな人物だったので実験台に選ばれた。

主人公は過去に意識を飛ばし、平和だった頃へ戻る。そして、見覚えのあるあの女性を探し出す。彼女と二人で見覚えのある公園で過ごす。第三次大戦中に付けていたネックレス(ドッグタグのようなもの?)に気付かれるが、彼はごまかす。

意識が戻るが、すぐにまた過去へと戻る。

彼女と遠い国の話をしながら、散歩を続ける。これがまだ同じ日の出来事なのかどうかは男にはわからない。

実験の第一段階が終わり、第二段階の最初で彼女とあちこちで会った。

彼は唐突に現れるが、彼女は気にしない。彼女は彼を”私の幽霊”と呼ぶ。

朝の鳥のさえずり、彼女の寝顔。

ここだけ一瞬、動画に切り替わる!彼女が目覚めて瞬きをする瞬間だけが動画に!

実験は進み、50日目。彼女と博物館で様々な動物を見る。照準は完璧になり、思うままの時間に送り込まれることが可能となった。楽しそうに博物館デートを楽しむ二人。

彼女も、突然現れて消える彼を自然現象として受け入れた。

実験室に戻った時、微妙な変化を感じた。所長がいるのだ。過去への実験は成功し、次は未来へ行く実験が始まった。

未来では地球は変貌していた。再建されたパリは迷路のような道路が広がっていて、冷たい未来人がいた。全産業を復活するエネルギーを未来人に渡して、未来への旅も終わった。

実験が終わり、彼は用済みになった。しかし、未来人がやってきて、彼を仲間にする、と言う。彼はそれを拒否した。未来ではなく彼女の待つ過去へと行きたかったのだ。

再びオルリ空港。

送迎台で彼女を探す。彼女の姿を見つけるも、そこには追跡者がいた。

少年時代に見た記憶、強迫観念の正体は―――自らの死の場面であった。

まとめ

あらすじは、現代に生きるちびぞうが観てみれば「この最初に出てくるある男の死って自分じゃね?」とか簡単に予想してしまいますが、当時の人からしたらそうは問屋が卸さなかったんであろう・・・。

内容云々というよりも、この悪夢のような作品をあえてスライドショー方式にしたことで、より悪夢っぽさが際立ってる感じがしたんですよね。

映画も、細かくしていけば絵の連続。たくさんの絵がものすごいスピードで流れていくとそれが動いているように見えて、動画になる。この作品では、その1枚1枚の絵が流れていくスピードを限りなく遅くしていった結果、こういう紙芝居的な表現になったのだ。と思うんです。すると、一つ一つの場面が、流れているようで止まっているような、不思議な感覚に陥るというか。悪夢を見てそれを思い出そうとすると断片的にしか思い出せない、そんな感覚に似ているというか。

時の流れを遅く遅くさせていって、止まってしまいそうな感じが、この「タイムトラベル」するというSF的なテーマにすごくマッチしていたと思います。

そしてちびぞうが特に感動したのは、途中で「彼女」が目覚める場面。

その数秒だけが動画になって、彼女の瞬きする様子が見れるんです。が、その表現の美しいこと!!彼女の美しさとか、尊さとかを深く感じ、「この瞬間だけは本物かもしれない」という気持ちにさせてくるというか・・・うーん。とにかく美しかった。

モノクロ映画はそんなに得意でないちびぞうの、数少ないお気に入りの作品となりました。

みなさんもぜひ機会があれば、鑑賞してみてください!


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