魔法少女が得る代償。映画『マジカル・ガール』ネタバレ&感想

完全な事実というのは常に答えが同じであり、つまり2+2=4である

【画像元:映画.com】

日本の魔法少女をモチーフにした、ずば抜けたセンスのスペイン映画。

『魔法少女まどか☆マギカ』に影響を受けたという監督のインタビューがありましたので貼っておきます!

まどマギを知っている人ならこの映画がもしかしたら”鬱映画”に分類されるのでは・・・?と予想出来てしまうかもしれませんが。出来れば前知識は何も入れず観て頂きたい一本ではあります。

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【映画情報】

【原題】Magical Girl
【制作国】スペイン
【監督】カルロス・ベルムト
【脚本】カルロス・ベルムト
【出演([]内は役名)】バルバラ・レニー [バルバラ]、ルシア・ポシャン[アリシア]、ホセ・サクリスタン[ダミアン]、ルイス・ベルメホ[ルイス]、イスラエル・エレハルデ[アルフレド]
【公開日(日本)】2016年3月12日
【上映時間】127分
【配給】ビターズ・エンド
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.3/10.0  (およそ3,700人の評価)

【あらすじ】

白血病で余命わずかな少女アリシアは、日本のアニメ「魔法少女ユキコ」の大ファン。ユキコのコスチュームを着て踊りたいというアリシアの夢をかなえるため、失業中の父ルイスは高額なコスチュームを手に入れようと決意する。しかし、そんなルイスの行動が、心に闇を抱えた女性バルバラやワケありな元教師ダミアンらを巻き込み、事態は思わぬ方向へと転じていく。【引用元:映画.com】

【感想】

☆3.0/5.0

冒頭から惹き込まれる

数学教師ダミアンが、バルバラを教壇前へ呼び「隠しているメモを読みなさい」と指示する。「仏頂面で残念な顔」と読み上げるバルバラ。「それは私の事か?そのメモをよこしなさい」と取り上げようとする。バルバラが「持っていないから渡せません」と言い、閉じた拳を再び開くと、さきほどまであったメモはなくなっている。

暗転、タイトル。80~90年代を思わせるアイドルソング(アニメのテーマ曲という設定)が大音量でかかり、坊主頭の少女が踊っている。が、すぐに倒れ込んでしまう。

この冒頭のシーンがものすごく印象的で、センスを感じましたね~。最初の教師と生徒のやりとりも意味深ですし、外国の雰囲気に不似合いな日本の歌が何やら不穏な空気感を生んでいます。

あまりにも語られない

この映画、不明な点がすごく多いです。この言葉を言うと止めてもらえるといういわゆるセーフワードが設定されている事から、トカゲの部屋で行われた事というのはなんとなく想像が付くんですが、そこは敢えて見せてくれない。

数学教師がバルバラのために10年も刑務所に入る事になった事件の真相もあえて語られない。

「話があるの」と言ったアリシアの言葉の続きも明かされないし、そしてラストシーンでダミアンは本当にアリシアを撃ったのか?それも不明のまま終わる。

このあえて見せない手法に想像をかきたてられ、焦らされ、目が離せない!となってしまうのです。

父と娘のすれ違いが切ない

本当はお父さんにそばにいてもらえればそれで良かったのに。アリシアがラジオに投降した手紙を(アリシアが欲しがっているコスチュームを手に入れるため)本屋に本を売りに行ったせいで聞けなかった父。あの描写は切なかった。

上で書いたアリシアが言いかけた言葉も気になる。父がドレスを渡そうとしていたタイミングとかぶってしまって、言いたいことが伝えられなかったんですよね・・・タイミングすごく悪かった。というよりは、この父親はアリシアの本音に向き合おうとしていなかったのかもしれない。

90万のドレスを買ってあげる事は父のエゴであり、まるで現実逃避のように思えたのです。

魔法少女と魔女と守護天使

色んな考察があるようですが、自分的にはアリシアが魔法少女として求めたものの代償があの悲劇を生んでしまった・・・ということかなと。

そして心を病んだ女バルバラが魔女。数学教師ダミアンを魅了し、彼を「あなたは私の守護天使」と洗脳し悪い方悪い方へと誘っていく。

ダミアンはかつて、12歳のバルバラに魅入られてしまったであろう事を告白してますよね。最後の携帯を消してしまうマジックの演出は、もうダミアンが魔女の守護天使ではなくなったことを指しているのかなと思いました。ドレスとステッキを持ったアリシア(偶然にもアリシアも12歳)の魔法によって、ダミアンは魔女に囚われていた心を解放されたのかもしれない(完全な深読み感)。そう考えると、ダミアンが発砲した理由が腑に落ちないかもですが、それはアリシアが「すべて悟ってしまったから」。あのダミアンに対する見透かすような眼光、すごかったですよね。父のいない余生を一人で生きる意志はアリシアにはなく、一度出て行ったのにも関わらずダミアンが戻ってきて発砲したのは、それがアリシアの最後の魔法だったからなのかも(完全な妄想感)しれません。

細かい演出がお見事

パズルが組み立てられていく過程がダミアンの健全さ、まっとうに生きるという事を表していて、そのパズルの最後の1ピースが埋まらないとか、バルバラのために復讐を決意する場面で組み立てたパズルを壊していくとか、最初と最後に同じマジックを見せるとか、細かい演出が良かったですね。

まとめ

結局は因果応報と負の連鎖のお話ですね。

とりあえず父親については他人を脅すくらいなら自分の内臓でも売ろうよと思いますね。

私はあんまりこの作品、好きになれなかったんですが・・・色々と調べたり考察しているブログを読んだりするのがすごく楽しい映画ではあります。

あー、それにしてもアパートで一人、魔法少女の格好で父を待っていたであろうアリシアちゃんが映る場面は本当に涙が出るかと思ったなぁ・・・。ずるい!


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